今朝いつもどおり猫に起された。
普段私を起こしに来ないイネスまで「グルルル」と泣きながら私の枕元にやって来た。 そしてスリッパの上にゴロリ。 寝ぼけまなこをグッと開くと目の前に目を真っ黒にしたプロスペエルのどアップ。 背中の上にはレアが乗ってきた。彼女の手と足は指圧向きの大きさのようだ。 「ごはんだねぇ」と重たい身体を起こし時計を見ると7時丁度。 そして窓に目をやるとパラパラパラと独特な音をたてて雨がガラスを叩いていた。 猫三匹は突然降り始めた雨を私に知らせてくれたのだろう。 猫ごはんを用意している数分の間に雨音はどんどん大きくなり,奥行き1.5m近くあるベランダを越えて台所側の窓をも叩きつけ始めた。そしてピカっと稲妻が不定期なリズムで繰り返される。ここ数日こんな朝が続いている。梅雨のない南仏なのでこの雷雨季が過ぎると本物の夏がやってくることになる。 毎朝私は目覚めがはっきりしないまま猫ごはんの準備をし,猫がごはんを食べている間に猫水を取り替える。ココんちの猫三匹はごはんのそばに置いた水を飲もうとしない。ご飯を食べ終えると,ごはんの臭いが届かない場所に置いてある水を悠長に飲む。 3匹の猫の食後はそれぞれである。 プロスペエルはぢーっと私が珈琲を入れるのを待つ。彼の変な習慣で珈琲の香りを嗅ぎながらミルクを舐めるのが好きだ。イネスは私のふくらはぎにおでこを押し当てミルクをねだる。天気が良ければベランダに出る窓を開けてと独特の声を出して促す。レアはごはんを食べ終わると速攻で約3m上の本棚か風呂場の洗濯機の上で深い眠りに入る。 今朝は雷雨だった。 イネスもプロスペエルも朝食後まもなく寝室に戻って眠り始めてしまった。 動かずにずっと窓に当たる雨を眺めていた。 不思議だった。 でもちょっと考えたら思い出したことがある。 レアがココんちに現れた2002年8月15日朝は夜明けまで大雨だった。雷も鳴った。 雨が止んで,夜が明けて,ココんちの玄関前にいた子猫は泥で薄汚れていた。 1階に下りたら植え込みの土からつーんと猫のおぴっこの臭いがした。 アパルトマンの外は水浸しでこの地方では珍しい大きな水溜りが残ったままだった。 今朝の大雨,レアは何か思い出したのではないだろうか? 猫の脳味噌は小さいけれど,3年前のあの日と同じくらい強い雨と雷。 お水が大好き,冒険大好きの子猫のレアがママンや兄弟からはぐれてしまった日を思い出したのではないだろうか。 そんなことが想像できるくらい,今朝のレアはガラス窓の前にぢっとしていた。 ママンを思い出したのかな? そんなことを思いつつ, 一方で大雨の後にかわいいレアたんを失ってしまった母猫の気持を察してしまった私である。 猫だからもうすでにレアのことは忘れているだろう・・・。 いやそんなことはない。 レアだって今朝の大雨でママンを思い出したのかもしれないのだから。 今朝のママンだって 「あの子は今頃どこでどうしているのかしら?」 と,どこかの軒下で道路を叩きつける雨を見ながらレアを思いやったかもしれない。 いやママンも今頃はどこかのおうちで暮らしているのかもしれない。 今朝の雷雨は1時間くらい続き, やがて小雨にかわり, 午後には晴れ間が見え始めた。 ベランダの窓を開けると,三匹がいつものように深呼吸するために外に出た。 レアたんはなぜか水溜りのど真ん中に身を置いて, 右を見て
by macocotte
| 2005-05-16 21:52
| レアたんレアレアれれれのれ
|
Comments(18)
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catseyepower at 2005-05-16 22:31
雷がきっかけで、なにかを思い出した、というお話を、どこかで読んだ記憶があるのだけど、どんなストーリーだったか、どうしても思い出せない。
ほんとにせつなそうな背中だなあ。でも、今とっても幸せだと思うよ。猫ちゃんの子離れって、見ていて子猫がかわいそうなぐらい、お母さん猫は厳しいよ。すべての母猫がそうだというわけではないけど。子猫がそばにいくと、びしばしたたくもの。そして、子猫は次のお母さんのもとで、ちょっぴり大人になって、育っていく。それでよいのだ。 東京も昨日は突然の雷雨。場所によっては雹が降ったそうです。気温は低めで、猫たちの毛があまり抜けなくなりました。ありゃ、これじゃ猫ボールが作れない。
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macocotte at 2005-05-16 22:46
☆catseyepowerさま,レアの背中,せつないよねぇ。
フェンス昇りが大好きだったレアが1階下の家に落っこちたり,隣の家に行って戻れなくなったり,最後に地上まで落っこちて「ぴたり」とフェンス昇りをやめてしまったのね。 本当に怖い思いをすると二度としないほど頭のいいレアです。冒険王のレアたんは大好きなお水が空から一杯降ってきて喜んで飛び出てママンの元に戻れないことを悲しんでいたらどうしよう!?とふと思ってしまった今朝でした。 猫の世界だから私達の生き方と重ね合わせてもいけないとはわかっちゃいるのだけど,レアは永遠にココんちの居候扱いなので余計しんみりしてしまいます。
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miepon61 at 2005-05-16 23:03
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ma_cocotte at 2005-05-16 23:16
☆mieponさま,たまにはしみぢみとお茶をずずーぅってね?
猫の生き方は私にはまだまだ未知です。 ふといつもと違う行動をとる猫を垣間見るといろいろ想像しちゃいますね。 レアたん,今は幸せだといいですけど・・・。 こんなにおぴっこをもらせる環境ですもん・・・(しみぢみ)。
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コムムス
at 2005-05-16 23:57
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macocotte at 2005-05-16 23:59
☆コムムスさま,今,そちらに伺いコメントを残してきました。
TBどうもありがとうございました。 レアたんは普段おしゃべりでお日様大好きの猫ですが,ふとした時に寂しそうな雰囲気になります。 おセンチなレアです。
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cawa-miu at 2005-05-17 04:52
どこかで、笑いどころがくるのかと思いつつ読んでいて、最後の背中で、じ~んときてしまったわ。
ヘルシンキも朝から雨が降っていて、こちらに来て初めて傘を使いました。夕方晴れたけど、今もまた雨、、、たまにはこういうこともあるのねえ。 レアたん、やさしい(?)ママンに出会えてよかったねー。
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cibifigaro at 2005-05-17 06:21
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れい
at 2005-05-17 09:50
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マココット様♪パソコンなおりましたーっ(*^^)vどんな猫でも人間が近づきがたいほどの孤独な姿を見せる時ありませんか?元気でやんちゃな子でも、甘えん坊でも、お馬鹿な子でも・・人間だってそうですよね、どれほど愛し愛されていようと、家族や友達に恵まれていようと、どこかで孤独感を抱きながら日々を生きてるってところありませんか(・・?
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ma_cocotte at 2005-05-17 14:50
☆cawa-miuさま。ヘルシンキの雨は長くて冷たいのだろうなあ。
こちらは本当は雨に無縁の地域ですが,ここ数年異常気象とでもいいましょうか。パリのような気候なので私としてはあまり面白くありません。 カラっとして欲しいものです。 レアたんは普段明るく元気なピョンピョン系なのでふとこういう重い雰囲気に出っくわしてしまうときゅーんとなっちゃいます。
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ma_cocotte at 2005-05-17 14:53
☆ちびふぃがろさんちの新人猫はまだなのかなあ?
見つけたら国境越えするか。ヴァンチミリアまでココから3時間くらいです。そこから北上? モンブラントンネルはやっぱり怖くて使いたくないにゃあ。 レアたんは普段快活すぎるので,こういうモードにはいっちゃうと胸キュンです。
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ma_cocotte at 2005-05-17 15:06
☆れいさま,お久しぶりです。
PC,これ以上調子悪くなりませんように。 私も昨年の今頃壊したのでお気持察します。 レアは普段は陽だまり系なのでこういう哀愁を見せられてしまうと切ないですね。 他の二匹はあまりこういうことがない。 イネスはすでにアニマルショップでずんどこを味わっているせいか,普段は冷静すぎで甘え声を出すのが上手かも。 プロスペエルはたまに涙をこぼします。でも♂なので動きがしなやかさから程遠いです。 昨日のレアはいつもと違うのは確かでした。切ないレアたん。
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cibifigaro at 2005-05-18 00:54
何何連れてきてくれるっていうのですか!(笑
私近所の獣医にとりあえず行ってみようかななんては思ってるんですけどね。もちろんこっそり。 昨日忘れさせないように「どういう模様、色がいい?」ってパに聞いたら 「グレーのトラ」だそうです。 私的にはモンココ氏inJAPANの時頭の上にのせてる子もいいなと。。 って私↑の新しい記事読んでモンココさんと同じ質問してる事に気がついたわ。。
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macocotte at 2005-05-18 01:12
☆ちびふぃがろさま,だってね。
昨日もお昼にパン屋さんに行ったら,掲示板に「子猫あげます」って出ていたのだ。たぶんこの町の小売店やパン屋さんなどくまなく訪ねたら子猫がタンと集まると思います。だって毎年そうだから。 グレーの寅ってサバ寅・キジ寅あたりでしょうか? イタリアはどうすると猫が見つかるのかなあ。 興味あるわん。
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Marcellin at 2005-05-18 14:11
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ma_cocotte at 2005-05-19 19:30
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ma_cocotte at 2005-05-19 19:33
☆くろねこ・ママさま。
お腹に柔らかいものがあたるとついおもらししているようなのです,彼女。たぶんきちんとひとりでできるようになる前に,大好きな水が空から一杯降ってきて冒険しちゃったのだと思います。 大雨の後は迷い犬や猫が増えますよね。雨がマーキングを持って行っちゃうから。 大雨が止んだら子供が一匹いなくなっていたお母さんの気持を考えると私は複雑です。
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2011年6月5日から生まれて初めて犬とも暮らし始めました。今でも犬猫が好きかどうかまだ私にははっきりわかりません。 depuis le 24 octobre 2004 Droits de reproduction et de diffusion réservés © 2004 - 2022 Prosper Inès Léa Nestor Tigrou Pio Lazare et Clovis ほぼ黒猫Inèsは第十番猫 ぷぅは8! いねすは418! @ 猫にごはん @ Life in San Francisco @ アラブの猫 @ 猫の空論◎ NECO_no_KoolON @ 拾い猫日記 @ うみのおほし★さま @ トリ猫家族 @ yurayuraYurara 最新のコメント
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